空き家を売るなら今がチャンス―2025年は相続空き家の「そのまま売却」が標準解になった年(相続関連10大ニュース・第5位)

相続空き家の売却

実家を相続したけれど、誰も住まない。古い家だし、どうしよう――そんな悩みを抱えている方は、少なくないのではないでしょうか。

2025年は、この問いに対する答えが大きく変わった年でした。

制度改正そのものは2024年に行われましたが、実際に相続の現場で「空き家は売って処理する」という選択肢が現実的な標準解として定着し始めたのが、まさに2025年だったのです。

背景:空き家問題の深刻化

日本では今、空き家が急増しています。特に昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた木造家屋は、地震で倒壊するリスクが高く、放火や不法侵入の温床にもなります。近隣住民にとって、まさに脅威です。

さらに2024年からは相続登記の義務化もスタートし、「相続した不動産を放置する」ことへのプレッシャーが一気に高まりました。固定資産税の空き家特例見直しも進み、特定空き家に指定されれば住宅用地特例が外れて税負担が跳ね上がります。

つまり、2024〜2025年にかけて、空き家を「動かすインセンティブ」が制度面で一気に揃ったのです。

空き家特例:最大3,000万円の控除

こうした状況で注目されているのが「空き家特例」です。

相続した空き家を売却したとき、通常なら譲渡所得(売却益)に対して約20%の税金がかかります。でも、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できるのです。

売却益が3,000万円以下なら、実質的に税負担を完全になくせます。これは相当大きな優遇措置です。

この制度は2027年(令和9年)12月31日まで延長されており、かつ相続開始から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却する必要があります。

主な要件

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンションを除く)
  • 被相続人が一人暮らしをしていた(老人ホーム入所も条件付きでOK)
  • 売却価格が1億円以下
  • 相続から売却まで空き家であること(貸したり事業用に使わない)
  • 相続人が3人以上の場合、控除額は2,000万円に減額(令和6年以降)

2024年改正、2025年に浸透:「買主施工」の威力

従来の壁:売主の先行投資リスク

従来は、売主(相続人)が自分で家を取り壊すか、耐震リフォームをしてから売る必要がありました。解体費用は100万円~200万円以上。「先にお金をかけて解体したのに、売れなかったら?」――この不安が、売却の大きな壁でした。

2024年改正:買主が解体してもOKに

2024年(令和6年)1月1日以降の売却から、買主が譲渡日の属する年の翌年2月15日までに解体・耐震リフォームを行えば、売主側で特例が使えるようになりました。

つまり、相続人は古家をそのまま売却できるのです。先行投資のリスクはゼロ。不動産業者が「買い取って自分たちで解体します」と言えば、相続人は解体費用を負担せず、しかも特例を使えます。

2025年:制度が現場に定着した年

制度改正は2024年でしたが、相続→遺産分割→売却にはタイムラグがあります。改正後のルールを織り込んだ具体的な売却案件が増え、専門家の相談現場で「買主施工スキームを前提にした売却」が標準的な選択肢として語られるようになったのは、2025年に入ってからでした。

税理士や不動産業者の解説サイト、自治体の周知資料も2025年に一斉に出揃い、「空き家を相続したら、3年以内に売却して特例を使う」という発想が一般化し始めたのです。

相続登記義務化、固定資産税の見直し、そして空き家特例の延長と買主施工の拡充――これらすべてが揃って効果を発揮し始めた2025年は、「空き家を相続して放置するより、売却する」という行動変化が本格化した節目の年だったと言えるでしょう。

注意すべきポイント

1. 期限は厳格

相続開始からおおよそ3年以内という期限は変わりません。のんびりしている時間はないのです。

2. 空き家のままであること

相続してから売却するまでの間、その家を誰かに貸したり、事業用に使ったりすると特例が使えなくなります。

3. 専門家に相談を

要件が細かく、適用可否の判断が難しいケースもあります。売却前に必ず税理士に相談してください。弊所でも事案を把握した上で、適切な税理士を紹介することができます。

2025年が示したこと:空き家は「売る」時代へ

2025年は、空き家対策の転換点でした。

制度改正と延長そのものは2024年に決まりましたが、それが相続・不動産の現場で具体的な「行動変化」として表面化したのが2025年だったのです。

空き家特例のポイント:

  • 最大3,000万円の控除で税負担を大幅軽減
  • 2027年12月31日までが制度の期限
  • 相続開始日の翌日から3年を経過する日が属する年の年末までに売却が必要
  • 買主が解体・リフォームする場合でもOK(2024年改正)

もし今、相続した空き家を抱えて悩んでいるなら、それは行動を起こすべきタイミングです。

2025年、多くの人が気づき始めました。「空き家は放置するものではなく、売却して処理するもの」だと。

まずは税理士や不動産業者に相談してみてください。「空き家特例を使って売却できますか?」と。

2027年12月31日まで。そして、相続から3年後の年末まで。この期限を逃さないことが、あなたの税負担を大きく減らす鍵になるのです。

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